「何かいいアイデア出さなきゃ」
「もっとオリジナリティのある表現をしなきゃ」
そう思って真っ白な画面やノートを前に、フリーズしていませんか?
実は、ダリやピカソといった伝説のアーティストたちは、「がんばってひらめこう」とするのを、ある瞬間にあえて「やめて」いたんです。
今回は、巨匠たちがこっそり実践していた、ズルいほど心が軽くなる「ひらめき実験室」を覗いてみましょう!
脳をちょっと眠らせる — ダリの「スプーンを使った睡眠法」
シュルレアリスムの天才ダリ。彼の不思議な絵のアイデアは、「意識のスイッチが切れる瞬間」に隠されていました。
ダリのひらめき
椅子に座って、手にスプーンを持ってウトウトします。眠りに落ちて手が緩み、スプーンが床に「カラン!」と落ちた音で飛び起きる。
それまでに頭に浮かんだことをダリはさっと描きました。
ここが面白い!
私たちが「ああかな、こうかな」と理屈で考えているときは、脳が「それは変だよ」「面白くないよ」と検閲しています。ダリは脳が寝ぼけた瞬間に、脳の奥底から勝手に湧き出すヘンテコなイメージを捕まえたのです。
「偶然」を待つ — ピカソの「大量生産」の法則
「天才は最初から答えを知っている」と思ったら大間違い。ピカソは誰よりも「下手な鉄砲」を打ち続けた人でした。
ピカソのひらめき
彼は生涯で15万点もの作品を作りました。つまり、ひらめきを待つ前に、とにかく手を動かして「偶然」が起きるのを待っていたんです。
ここが面白い!
「良いアイデアが出たらやる」ではなく、「やってるうちに、脳が熱くなってひらめきが飛び出す」。ピカソにとって制作は、火を起こすための摩擦のようなものでした。
シミの中に「アイデア」を見つける — ダ・ヴィンチの「妄想力」
万能の天才ダ・ヴィンチは、特別なものがない日常を愛していました。
ダ・ヴィンチのひらめき
彼は、古い壁の「シミ」や「ひび割れ」をじーっと眺めるのが大好きでした。そこから勝手に山や川、恐ろしい怪物の顔を妄想して楽しんでいたんです。
ここが面白い!
「ただの汚れ」を「宝の地図」に変えてしまう力。正解を求めるのをやめて、「これ、〇〇に見えない?」と遊ぶ心が、唯一無二の独創性を生みました。
【今日からできる】あなたの感性を呼び覚ます「3つの遊び」
「頑張る」のはお休み。まずは、こんな軽い気持ちで試してみてください。
① 1分間の「脳内フィッシング」(ダリ式)
- 1分だけタイマーをかけて、目を閉じます。
- 何かを考えるのではなく、暗闇に勝手に浮かんでくる「色」や「形」をぼーっと眺めます。
- アラームが鳴ったら、「今、変な形が見えたな」という感覚を、言葉やヘタな図でサッとメモするだけ!
② 思考を空っぽにする「野放し散歩」(ピカソ式)
- 15分だけ近所を歩きます。
- 悩みを解決しようとせず、足音のリズムだけを感じてください。
- 「歩く」という単純作業に脳を任せると、止まっていた思考のパズルが、勝手にカチッと組み合わさっています。
- メモを持ち歩いて頭に何か浮かんだら書き留めます。
③ 「街中のシミ探し」(ダ・ヴィンチ式)
- 通勤中やカフェで。壁の木目や、地面の模様を眺めます。
- 「これ、笑ってる動物に見えるかも!」と、強引に意味をつけて遊んでみてください。
- この「こじつけ力」が、あなたの表現を世界で一つだけのものに変えてくれます。
自分のひらめきスタイル
実は私も「ピカソタイプ」の制作スタイル
私自身の制作を振り返っても、最初から「これを作ろう!」と頭で考えて進むことはほとんどありません。むしろ、何かを作ろうと意気込むほど、筆は止まってしまいます。
「作るぞ」という意識を捨ててみる
まずは無心で手を動かしてみる。抽象作品を描いているからこそかもしれませんが、動いているうちに「もう少しああしよう」「次はこうしたい」というひらめきが、後から追いかけてくる感覚です。まさに、動いているうちに脳が温まり、アイデア出てくる感覚。 これがが、ひらめきの正体だと実感しています。
余白の時間をつくる
よく「何もしない時間」を作って外に散歩に出かけます。リズム良く歩くことで、ガチガチになった脳に「余白」が生まれ、止まっていた思考が自然に動き出します。
「忘れる前に」即座に記録する
散歩中やふとした瞬間に浮かんだアイデアは、すぐにスマホに記録します。正直なところ、私のスマホはこうした「ひらめきの欠片」の記録でいっぱいです。まだ活用しきれていないのが今の私の反省点ですが、この「自分だけのネタ帳」があるだけで、次の制作への安心感に繋がっています。
読めばもっと楽しくなる!今回の参考文献
記事内容は次の文献を参考にしています。
d『天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々
』メイソン・カリー著
天才たちの人間味あふれる「変な習慣」が満載。読むだけで心が軽くなります
『レオナルド・ダ・ヴィンチ』ウォルター・アイザックソン著
ダ・ヴィンチがシミを見てワクワクしていた様子が伝わってきます
『アイデアのつくり方』ジェームス W.ヤング著
「アイデアは遊びの延長だ」と勇気をくれる、薄くて読みやすい名著
まとめ:ひらめきは「ちょっとした脳の整理整頓」から
「何かを生み出さなければ」と肩に力が入っているとき、脳は緊張して新しいアイデアが入る隙間がなくなっています。
今回ご紹介した巨匠たちのエピソードに共通しているのは、「脳のスイッチを意識的にオフにする時間」を大切にしていたことです。
理屈を一度お休みさせて、まずは遊び感覚で手を動かしてみる。日常の風景を面白がってみる。ひらめきとは、どこか遠くにある魔法ではなく、あなたの中にたまっている経験が、リラックスした瞬間にふと結びつく「偶然のシャッフル」です。
まずは今日、15分、リズム良く歩くことから始めてみませんか?




